月の立体撮影を始めた頃

…いやぁ,まだ残っていましたよ。

10年前の「インターネット博覧会」のコンテンツ。

http://www.astron.pref.gunma.jp/inpaku/contest/contest.html

これは群馬県の主催(群馬県には「ぐんま天文台」があります)で,アストロアーツの協力のもと,開催された,星の写真,イラストコンテスト。

たまたま,この時期に,地平視差=地球の自転を利用した月の立体視の手法が,だいたい完成していたので,何気なく応募したら,選ばれてしまいました。

もちろん,大きな賞ではなく,下のほうでしたけど。

なにしろ,当時はBORG76EDと,100万画素程度のデジカメの組み合わせ。今の水準に比べれば,そんなにいい写真が撮れているわけでもありません。もっと拡大率を抑制して,立体感を強調しておけばよかった。

受賞作品入りで時計付きの盾を貰ったけど,玄関に飾っておいたら,写真がカビてしまった……


そんなこんなで,月の立体画像の「ライブ感」にこだわって試行錯誤していた時期……

しかし,その時期に,もうひとつ,画像提供の話が。
それが,国立天文台の「四次元デジタル宇宙プロジェクト」のスタッフでした。
今にして思うと,かなり恥ずかしい出来だったのですが,曲がりなりにも,このプロジェクトの最初のコンテンツに,月の立体画像が2枚ほど採用されたのでした。今,このコンテンツを見ても,月の立体写真は見られません。「Mitaka」と言う普及版ビューアーに落とした際に,乗らなかったようです。

名前だけは,プロジェクト初期のチラシに出ていますけどね。


今でも「ライブ感」には,こだわりを持っていて,全ての立体画像は正立像,つまり,望遠鏡で撮影したまんまの倒立像を,わざわざ上下左右を反転させ,肉眼で見たままの状態に直しています。

やはり,上弦の月は,左側が欠けていないと,肉眼で月を見上げたときのリアリティが落ちるように思います。望遠鏡での観測や撮影になれている人はともかくとして,普通の人は,倒立像には違和感を感じるのです。
満月の中に見える「うさぎ」が,逆さまだったら,嫌でしょう?