猛暑日の「冬の星座」

今年は猛暑日の観測日数が多く,最高気温の過去最高記録も塗り替えられました。

いやぁ〜地上は暑い。

せめて,気分だけでも涼しくなるよう,冬の星座でも……

8月になると,未明の空にオリオン座が見えてきます。
8月中旬ともなると,オリオン座に続いて,おおいぬ座こいぬ座も見えてきて,朝焼けの中に冬の大三角形が揃います。

古代エジプトでは,おおいぬ座シリウスをイシスと呼び,毎年,ナイル川が氾濫し,流域に上流からの肥沃な土壌を流し込んでくれる時期に,未明の空に,この星が見える頃を洪水シーズンの始まりの目安にしていました。

イシスはエジプトの農業神でもあります。
農業の神を司る星が見えると,実りを約束してくれる水と土を運んでくる,ナイル川の洪水がやってくる。

ギリシャ語で「シリウス」は「焼き焦がすもの」,中国では「天狼」。
農業と結びついた話は,古代エジプト文明ならではのものなのかも知れません。