遠い月,近い月

11/28の満月は,今年,いちばん小さい満月。

月の見かけの大きさは,けっこう変化します。
「惑星の公転軌道は楕円形で,その焦点の1つに太陽がある」
……ケプラーの法則,思い出してください。
地球に対する月の公転軌道も,楕円形で,その焦点の1つに地球があります。

その軌道離心率は0.05490。
月は,地球にいちばん近いときと,いちばん遠いときで,10%以上の違いがあります。

ちなみに地球の公転軌道の軌道離心率は0.01670。
地球と太陽の距離も±1.67%変化しています。
地球がいちばん太陽に近いときは1月4日頃,遠いときは7月4日頃。
北半球では,冬のほうが太陽に近いんですね。


話を月に戻します。

月の近地点−遠地点を回る周期(近点月)は,月の満ち欠けの周期(朔望月)よりも約2日短く,7か月ぐらいで,ほぼ半周のずれが生じます。
したがって,約7か月ごとに,「近い満月」と「遠い満月」が交代で訪れることになります。

2012年に一番地球に近づいた満月は,5月6日。
このときの月の見かけの大きさは33'28"
一方,2012年でいちばん遠い満月は11月28日夜。
このときの月の見かけの大きさは,29'24"
10%を超える差があります。

実際に比べてみましょう。

見ての通り,明らかに大きさの違いがあります。
それぞれの満月は,地球の自転を利用して3D画像にして,距離感の違いも表現しています。

満月の大きさに違いがあることには,意外と気がつきません。
大きさを比較するものがありませんからね。
並べてみると一目瞭然。

赤青メガネをお持ちの方は,月までの距離感の違いも含めて,宙(そら)の奥行きを感じていただけると思います。