3Dで見る太陽

太陽を3Dで御覧いただきましょう。

これは意外と簡単な原理で作られています。

太陽の自転を利用しています。


太陽は約25日で自転しています。
そのため,その表面に現れる黒点も,形を変えながら,太陽の自転と共に回ります。

そこで,自転による位相差を利用して,立体画像を作ってみました。
厳密なことを言うと,黒点の形が変わってしまったり,太陽の自転そのものも,赤道近くと極近くでは差があるので(太陽はガスの塊ですから,表面は常時ねじれています),インチキ3Dなんですけどね。

そういう細かいことには,とりあえず目をつぶって,短時間……と言っても,数時間とか半日とか1日とか……の間隔を置いて撮影した太陽の画像を,3Dに合成しています。

太陽は周辺部が暗く見えるので,より,立体感が強調されますね。

上の写真は1日隔てた太陽を1枚にまとめたものです。
ちょっと位相がズレ過ぎた感じなので,半日ぐらいの間隔で撮影したほうが良いかも知れません。たとえば,朝撮って夕方撮るとか。

撮影は屈折望遠鏡が必須。
これはBORG76EDの直焦点です。
減光はBAADER PLANETARIUMのアストロソーラーフィルムを使っています。

アストロソーラーフィルムは発色がニュートラルなので,画像処理が楽ですが,どうせ白色光での撮影だから,と言うことで,画像を一旦,モノクロ化してから,3Dに加工しています。

自転を利用した3D撮影は,火星や木星にも使えます。
木星は自転が早いので,撮影間隔は10分ぐらいでも大丈夫です。
さっと撮って適当な画像処理でも表面模様が分かるくらいの,大口径の機材をお持ちの方は,チャレンジしてみてください。

土星は表面模様がハッキリしませんが,環の傾きが変わるので,半年〜1年ぐらい隔てた土星の写真を,環の傾く方向を水平方向にして,環が立体的に見えるような3D写真が出来ると思います。土星の写真が横倒しになってしまいますが……

ところで,日食のときも,遠隔地で同時撮影すれば,太陽より手前に月の影があるような3D写真が出来ないかな,などと思っているのですが,どうでしょうかね。