Super Full Moon

5月6日は今年最大の満月。

月は思った以上に近づいたり,遠ざかったりします。
天体の公転軌道は楕円。これはケプラーの法則でもおなじみ。
月の公転軌道の離心率は0.055ほど。
これは,地球の公転軌道の離心率(0.0167)に比べても大きいことが分かります。

#余談ですが,地球の公転軌道は真円に近いものの,微妙に楕円なので,1月4日頃の太陽の見かけの大きさが最大,7月4日頃が最少となります。

つまり,月が一番地球に近い場所(近地点)付近で満月になると大きく見えて,逆に,いちばん遠い場所(遠地点)付近で満月になると,小さく見えることになります。

そして,今年,いちばん近地点の近くで起こる満月が,5月6日。
但し,日本時間では正午ごろになってしまうので,ブラジルあたりで見る月が,一番大きく見えることになります。

日本で見た場合,5日の夜か6日の夜が,「今年最大の満月」と言うことになると思います。

近地点通過→次の近地点通過までかかる日数(近点月)は,月の満ち欠けの周期(朔望月)とずれているので,「大きい満月」や「小さい満月」が出来るわけです。

もちろん,「大きい新月」や「小さい新月」も起こるわけで,「大きい新月」が太陽をすっぽり隠すと皆既日食になり,「小さい新月」だと,太陽を隠しきれずに「金環日食」となります。2012年5月21日の日食は,月が遠いときにお起こるので,金環日食となります。


では,どのくらい,見かけの大きさが変わるのか。

10%以上変わります。

2011年9月12日の月と,2012年5月5日の月を比べてみましょう。


昨年の「一番小さい満月」は,10月の満月でしたが,9月の満月も,それに次ぐレベルの大きさです。

(10月の満月も撮影していますが,途中で曇って,3D用の撮影が出来なかった……)


赤青メガネをお持ちの方は,月の立体感ではなく,遠近感も分かるようにしてあります。
遠近感については,「実際の見え方」と言うもの自体が存在しないので,「ちょっと距離が違うな」と感じる程度に,画像処理の段階で,遠近感をつけています。

実際の月までの距離は,近いほうが36万km弱,遠いほうが40万km少々。
基線から計算すると,距離感としては,「9mと10mの差」ぐらいしかありませんので,そんなにはっきりと違いが分かるものではないと思います。
並べてみると,「意外と差があるなぁ」と思えるような距離感です。