月の縁のほう

今年の8月は,月内に2回,満月がありました。
この2度目の満月を,「ブルームーン」と呼んで,見ると幸せになれるとか,話題になっていましたが,御覧になりましたか?

そもそも,この現象自体は,天文学的にはあまり意味が無く,「ブルームーン」の解釈も,本来はメーン州の農事暦に由来するもので,もっと厳密な定義があるのですが,「Sky and Telescope」誌がこれを誤って広義に解釈したのが,月内に2度目の満月があると「ブルームーン」と呼ぶことの始まりなのだとか……


8月30日は満月の前の日。

この日の月は,わずかに欠けているわけですが,その欠け際にある,宮森峡谷を狙ってみました。

アナグリフ立体視出来ます。赤青メガネをお持ちの方は,3Dでお楽しみください。

矢印の先にある,溝のようなものが,宮森峡谷。

国際天文連合の命名には無いのですが,月の表側……つまり,地球から見える側に日本人の名前のついた地形は,私は2つしか知りません。

もう一つは,「グリマルディB」の別称で,「佐伯」。
宮森峡谷のすぐ下にある大きなクレーターがグリマルディ。
その中にある,明るく小さなクレーターが,「佐伯」です。
宮森峡谷に,すぐ近接しているんですね。

この辺りは月の縁に近い部分。
秤動で見えたり見えなかったりするエリアです。
今回はギリギリで見えていましたが,満月の前日に,必ず宮森峡谷が見えるものではないようです。

個人的には,ブルームーンよりも宮森峡谷のほうに関心を持っていますが,こういうのは,どうも,天文マニア的な関心なのでしょうね。